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【とうもろこしのフライ】

夏の定番!
「とうもころしのフライ」

もうずいぶん長いことやってるメニューで、おかげさまで一年中、
「あの、とうもろこしを揚げたヤツ、ないんですか?」
と言われます。

でも、
とうもろこしは生のまま揚げるので、冷凍品、水煮缶詰ではできないのです。

きっかけはある居酒屋でした。

抜弁天のところに「彦や」という名店がありました。(現在は閉店してます)
ごく普通の見た目の居酒屋なんですが、
なぜか「仔羊肉」があったりで魅力的なメニューが並び、
日本酒はもちろん、ちょっとそそるワインも何気なくあり、
ちょくちょく利用していました。

そちらで「とうもろこしの天ぷら」というメニューに出会ったのです。
オーダーが入ると生のとうもろこしを半分の長さに切り、まるで桂むきのように実がくるりとむかれました。
その天ぷらがあまりにおいしくて、次の日にはマネしておりました。

初年度は衣がPicassoオリジナルなだけで、ほぼ「彦や」のパクリでした。
ただ、むきかたがあまり良くないと実がポロポロバラバラになってしまうのでした。

そのポロポロバラバラが次の年の課題になりました。ちゃんとしたカタチのものよりもバラバラのものが多くなってしまうこともあったからです。

ならば、
「最初からバラバラのものを揚げよう」
となりました。

そして、
ここからなかなか大変な道のりとなったのです。

ツブツブを揚げようとするわけですから、一番の問題は「まとまらない」ことです。
とうもろこしのツブツブフライでもおいしくなくはないのですが、やはり実に対しての衣の量が多すぎなので、とうもろこしの甘さや風味が乏しく感じました。
また、まとめて揚げようとすると「塊」になってしまう部分ができ、その内部はフライ独特の「サクッと感」は望めません。
また、「かき揚げ」をイメージして、つなぎとして少し他のものを混ぜ込むというものもやりました。
玉ねぎや長ネギ、人参も試しました。
が、どうしても他のものは「無い方がいいもの」なのでした。どれも、とうもろこしだけのフライの「とうもろこし感」が薄れるのです。

ある時、人参を薄い輪切りにし、その上にとうもろこしを平らに乗せて揚げたものを試しました。
これも試食すると「人参は無くていいもの」と感じたのですが、いくつか作ってるうちに、ポロっと人参がはがれたものができました。

そうです、
とうもろこしだけになったのです。
お、おおお!
とうもろこしと人参の接着面のサクッと感がいまいちだったので、あとはそこだけです。

そして、
後から人参を取るなら人参じゃなくてもいいんだ、となりました。

で、
「オーブンシートを使う」に達したわけです。
「平らに伸ばす」ということをシートの上で行い、シートごと油に放し、揚げていく途中でシートを外す、なのです。
これで、両面サクサクも解決でした。

これが出来たのが4シーズン目のことでした。
以来、ずっと同じスタイルで揚げ続けています。

ずっと「揚げ方」に関しての質問はありました。
ある程度の期間、せっかく悩んで出来上がったやり方なので、簡単に教えたくない、とも思っていたのですが、
それ以上に私はこの料理を気に入ってしまい、できればずっと長く多くの場面に登場してほしいな、という気持ちに変わってきました。

というわけで、今回「ある程度公表」としました。
公表するということは「当店がオリジナルです」という主張でもあります。
作ろうと思えば、料理をちょっとやっている人なら、オーブンシートの情報だけで簡単に作れるでしょうし、細かい部分(衣など)を考えていただく分、よりよいものができる可能性もあります。

こんなふうな「定番料理」をたくさん生み出せるよう、まだまだもがきますっ!

Picasso 1 Picasso 2 BABA

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